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その他の包括利益とは

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その他の包括利益についての解説

その他の包括利益とは何か

「その他の包括利益」は、企業の財務報告における包括利益の一部として定義されます。財務諸表上、当期純利益とは異なる項目であり、企業活動によって生じた利益のうち、株主資本に直接影響を与えないものを指します。

包括利益は、企業の経済的成果を包括的に示すものであり、その他の包括利益はその補足的な部分です。主に、会計基準や市場の状況変化による一時的な影響を示すために利用されます。


その他の包括利益の具体的な内容

為替換算差額

海外事業を展開する企業では、外国通貨建ての財務データを自国通貨に換算する際に生じる差額が記載されます。この為替換算差額は、企業活動の結果というより、通貨の相場変動の影響によるものです。

金融商品の評価差額

金融商品(例:株式、債券)の時価評価による損益が含まれます。これにより、市場価格の変動が財務諸表上に反映されますが、直接的な利益ではなく、投資ポートフォリオの健全性を示します。

年金制度の再評価差額

企業が負担する年金制度に関して、再評価時の計算誤差や仮定変更による影響がここに含まれます。これにより、年金負債の現状がより正確に表示されます。

その他の項目

ヘッジ会計の効果や持分法適用会社からの影響など、特定条件下で発生する利益や損失も記載されます。


その他の包括利益の重要性

財務の透明性向上

その他の包括利益を明確に開示することで、企業の財務状況に関する透明性が向上します。これにより、投資家や利害関係者がより正確に企業価値を評価する手助けとなります。

長期的な視点の提供

これらの項目は、一時的または短期的な影響にすぎない場合が多いため、企業の長期的な健全性を評価する際に重要です。


その他の包括利益の財務諸表での位置づけ

包括利益計算書の中での役割

その他の包括利益は、**包括利益計算書(Statement of Comprehensive Income)**において、「当期純利益」に加えて記載されます。この合計が「包括利益」として表されます。

財務諸表例(イメージ)

項目金額
当期純利益¥1,000,000
その他の包括利益¥200,000
包括利益¥1,200,000

注意すべき点

会計基準の違い

その他の包括利益の定義や取り扱いは、IFRS(国際財務報告基準)と日本基準で異なる場合があります。企業の財務データを比較する際には、基準の違いに留意が必要です。

一時的な変動

その他の包括利益は、一時的な変動を反映することが多いため、短期的な損益として判断しないようにすることが重要です。