代物弁済とは?
代物弁済(だいぶつべんさい)とは、お金での返済ができない場合に、代わりに不動産などの資産を渡して債務を弁済することを指します。
通常、借金の返済はお金で行いますが、資金が不足している場合に、不動産や土地などの財産を引き渡して借金を帳消しにすることができます。これが「代物弁済」です。
例:代物弁済が行われるケース
- 住宅ローンの返済が困難な場合
- Aさんが銀行から住宅ローンを借りたが、返済が難しくなった。
- → Aさんはローン残高の代わりに、自宅の土地や建物を銀行に引き渡す(代物弁済)。
- → これにより、借金の返済義務がなくなる。
- 会社の資金繰りが悪化した場合
- B社が金融機関から事業資金を借りたが、資金不足で返済できない。
- → B社は所有する倉庫を金融機関に渡し、債務を弁済(代物弁済)。
- 個人間の債務整理
- CさんがDさんからお金を借りたが、現金で返済できない。
- → Cさんは所有している土地をDさんに渡し、借金を帳消しにする(代物弁済)。
共同担保が設定されている場合、代物弁済によって担保不動産の所有者が変更されるため、登記簿に「代物弁済」による移転が記録されます。 これにより、誰が担保不動産を引き継いだのかが明確になります。
代物弁済を行う際の注意点
- 不動産の価値と借金の額が一致しない場合、差額を別途清算する必要がある。
- 代物弁済による財産移転は「譲渡」とみなされるため、税金(譲渡所得税や不動産取得税)が発生する可能性がある。
- 債権者が代物弁済を受け入れるかどうかは自由であり、必ずしも成立するわけではない。
代物弁済の登記を適切に行うことで、新しい所有者が正式に記録され、不動産の権利関係が明確になります。