任意売却とは？
任意売却（にんいばいきゃく）とは、債務者（お金を借りた人）が金融機関と合意し、担保となっている不動産を売却して、その売却代金を借金の返済に充てることを指します。
通常、ローンを返済できなくなると、不動産は競売にかけられます。しかし、競売では市場価格よりも低い金額で売却されることが多いため、金融機関と交渉し、できるだけ高い価格で売却できるようにする手続きが「任意売却」です。
例：任意売却が行われるケース
AさんがB銀行から住宅ローンを借りていましたが、返済が厳しくなりました。
- 住宅ローンの残高：3,000万円
- 市場価格：2,800万円（売却すれば大半を返済可能）
AさんがB銀行と相談し、自分で買い手を見つけて2,800万円で売却することが認められた場合、「任意売却」となります。
任意売却のメリット
- 競売よりも高い価格で売却できる可能性が高い。
- 売却後の債務が減るため、残債の負担が軽くなる。
- 競売とは違い、市場で通常の不動産取引として売却できる。
- 近隣の人に知られにくく、プライバシーが守られやすい。
任意売却を行う際の注意点
- 金融機関（担保権者）の合意が必要で、勝手に売却することはできない。
- 売却価格がローン残高を下回る場合、残債をどのように返済するか金融機関と交渉が必要。
- 任意売却後も、債務が完全に消えないケースがあるため、事前にしっかり確認することが重要。
登記簿には、任意売却が行われると「担保権の抹消登記」が記録されるため、売却後の不動産の権利関係が明確になります。