担保不動産の分割とは?
担保不動産の分割(たんぽふどうさんのぶんかつ)とは、共同担保として設定されている不動産を分割し、それぞれを別の担保として扱う手続きのことです。
通常、ローンを借りる際に複数の不動産をまとめて共同担保にすることがありますが、後にその不動産を個別に売却したい、または別々の担保として扱いたいといった理由で、担保不動産を分割することができます。
例:担保不動産の分割が行われるケース
AさんがB銀行から1億円の融資を受け、以下の広い土地を担保にしていたとします。
- 東京都新宿区の500㎡の土地(1筆)
その後、この土地を
- 200㎡の土地(A区画)
- 300㎡の土地(B区画)
に分けて売却したい場合、まず「担保不動産の分割」を行い、それぞれに適切な担保設定をする必要があります。
担保不動産の分割のメリット
- 一部の不動産を売却しやすくなる。
- 担保の管理がしやすくなり、追加融資や担保変更がしやすくなる。
- 借入額に応じて、必要な担保だけを残し、不必要な担保を外すことができる。
担保不動産の分割を行う際の注意点
- 金融機関(担保権者)の同意が必要であり、勝手に分割することはできない。
- 分割後の各不動産の価値が適正かどうか、金融機関が審査を行うことがある。
- 分割によって担保価値が下がる場合、金融機関が追加の担保を求める可能性がある。
登記簿に「担保不動産の分割」が記録されることで、分割された不動産ごとの権利関係が明確になり、売買や担保設定がスムーズに行えるようになります。