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EVM(Earned Value Management) とは

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EVM (Earned Value Management)とは

EVM (Earned Value Management) は、プロジェクトの進捗状況を客観的に評価し、コスト、スケジュール、成果のバランスを管理するための手法です。特に複雑なプロジェクトにおいて、計画通りに進んでいるかを可視化し、必要な改善措置を講じるために活用されます。

EVMは、計画された作業、実際の成果、費用データを組み合わせて評価します。この手法を使うことで、進捗状況を正確に把握し、リスクを軽減するための判断が可能になります。


EVMの主要な要素

計画値(Planned Value: PV)

計画値とは、特定の時点までに計画された作業に割り当てられた予算です。プロジェクト開始時に作成されるスケジュールや予算計画に基づいています。この値は、スケジュールと予算が適切に設定されているかどうかを確認するための基準になります。


あるタスクに対して、2週間で完了する計画が立てられており、その予算が10万円とされている場合、1週間経過ぎた時点での計画値は5万円となります。これにより、プロジェクトが計画通り進行しているかどうかを確認できます。

実績値(Actual Cost: AC)

実績値は、特定の時点までに実際に使ったコストを指します。この値を使用して、プロジェクトのコスト管理が適切かどうかを評価します。計画値と比較することで、予算超過や不足を早期に特定できます。


先ほどの例で、1週間経過した時点で7万円を使っている場合、計画値(5万円)と実績値(7万円)の間に差が生じており、コスト超過が発生していることが分かります。


完了成果価値(Earned Value: EV)

完了成果価値は、実際に完了した作業の価値を表します。計画値と成果に基づいて算出されるため、プロジェクトの進捗を客観的に評価することができます。


2週間で完了予定の作業が半分(50%)完了している場合、EVは5万円となります。この値を計画値や実績値と比較することで、プロジェクトの進捗状況を評価します。


EVMを用いたプロジェクトの評価指標

コスト差異(Cost Variance: CV)

コスト差異は、プロジェクトのコスト効率を示す指標です。以下の式で計算されます。

CV = EV – AC

解釈

  • CVがプラスの場合:計画よりコストを節約できている
  • CVがマイナスの場合:計画以上にコストを消費している


EVが5万円、ACが7万円の場合、CV = -2万円。これは、コスト超過を意味します。


スケジュール差異(Schedule Variance: SV)

スケジュール差異は、プロジェクトがスケジュール通りに進行しているかを評価する指標です。以下の式で計算されます。

SV = EV – PV

解釈

  • SVがプラスの場合:スケジュールより進んでいる
  • SVがマイナスの場合:スケジュールが遅れている


EVが5万円、PVが7万円の場合、SV = -2万円。これは、スケジュールが遅れていることを示します。


コスト効率指標(Cost Performance Index: CPI)

CPIは、コストパフォーマンスを評価する指標です。以下の式で算出されます。

CPI = EV / AC

解釈

  • CPI > 1:コスト効率が良い
  • CPI < 1:コスト効率が悪い


EVが5万円、ACが7万円の場合、CPI = 5 / 7 = 0.71。これは、コスト効率が悪いことを示します。


スケジュール効率指標(Schedule Performance Index: SPI)

SPIは、スケジュールパフォーマンスを評価する指標です。以下の式で計算されます。

SPI = EV / PV

解釈

  • SPI > 1:スケジュールより進んでいる
  • SPI < 1:スケジュールが遅れている


EVが5万円、PVが7万円の場合、SPI = 5 / 7 = 0.71。これは、スケジュールが遅れていることを意味します。


EVMを導入するメリット

プロジェクトの可視化

EVMを導入することで、プロジェクトの進捗状況が数値で可視化され、関係者全員が同じ基準で状況を把握できます。

早期の問題発見と対応

計画値、実績値、成果価値を比較することで、コストやスケジュールの問題を早期に特定し、迅速な対応が可能になります。

プロジェクトパフォーマンスの向上

効率指標(CPIやSPI)を活用することで、コスト管理とスケジュール管理の改善に役立ちます。これにより、プロジェクトの成功率が向上します。


EVMの限界と注意点

複雑なプロジェクトでの適用

EVMは多くのデータ収集と管理を必要とするため、プロジェクトが複雑になるほど運用コストが増大する可能性があります。

正確なデータが必要

計画値や実績値が正確でない場合、評価結果も信頼性を欠くことになります。したがって、データの精度を保つことが重要です。


活用シーンと具体例

建設プロジェクト

EVMは、大規模な建設プロジェクトで頻繁に使用されます。例えば、建物の建設進捗を定期的に測定し、コストやスケジュールの適切性を評価します。

ITプロジェクト

ソフトウェア開発プロジェクトでは、EVMを使用して開発スケジュールと予算の調整を行います。アジャイル開発でも、スプリント単位での成果測定に活用できます。


図と表の例

指標計算式解釈
コスト差異 (CV)EV – ACプラスであればコスト効率が良い
スケジュール差異 (SV)EV – PVプラスであればスケジュール通りに進んでいる
CPIEV / AC1以上であればコスト効率が良い
SPIEV / PV1以上であればスケジュール通りに進んでいる

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