JSON-LD (JavaScript Object Notation for Linked Data)についての解説
JSON-LDとは何か
JSON-LD(JavaScript Object Notation for Linked Data)は、Webページやアプリケーションがデータを構造化して公開するためのフォーマットです。名前の通り、JSON(JavaScript Object Notation)を基盤としており、Linked Data(リンクされたデータ)の概念を組み込んでいます。
GoogleやBingなどの検索エンジンがWebページの内容を効率的に理解するための重要な手段として利用されています。
JSON-LDは、単なる技術仕様ではなく、Webのデータを他のデータと繋げて価値を高めるためのツールといえます。
JSON-LDの特徴と利点
人間にも機械にもわかりやすいフォーマット
JSON-LDはJSONベースのフォーマットなので、プログラマーにとって読み書きが容易です。また、JavaScriptのスクリプトタグを使用してHTMLに埋め込めるため、既存のWebページに追加するのも簡単です。
リンクされたデータの構造化
JSON-LDは、単一のデータ項目だけでなく、それらを関連付けることで意味のある情報を提供します。例えば、企業情報、製品、レビュー、イベントなどを整理して提供できます。
SEO(検索エンジン最適化)への寄与
Googleのリッチリザルトに対応しており、検索結果にリッチな表示形式を提供できます。これにより、ユーザーのクリック率(CTR)が向上し、検索エンジン上での存在感が増します。
JSON-LDの利用方法
基本的な構文の例
以下は、企業情報を表すJSON-LDの例です。
jsonコードをコピーする<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "Organization",
"name": "Example Company",
"url": "https://www.example.com",
"address": {
"@type": "PostalAddress",
"streetAddress": "123 Example St.",
"addressLocality": "Sample City",
"postalCode": "12345",
"addressCountry": "JP"
}
}
</script>
主な用途
- 企業情報の公開: 組織名、所在地、連絡先などを構造化して提供
- 製品やサービスの表示: 商品の価格、評価、在庫状況などを提供
- イベント情報の整理: イベント名、日時、場所を明確に表示
- レビューと評価: ユーザーからのフィードバックを構造化して表示
他のフォーマットとの比較
JSON-LDとMicrodata、RDFa
JSON-LDは、同じく構造化データを記述するためのMicrodataやRDFaに比べて以下の点で優れています。
特徴 | JSON-LD | Microdata | RDFa |
---|---|---|---|
読みやすさ | ◎ | △ | △ |
埋め込み容易性 | ◎ | ○ | ○ |
メンテナンス性 | ◎ | △ | △ |
汎用性 | ◎ | ○ | ◎ |
JSON-LDは、HTML内にデータを直接挿入するMicrodataやRDFaとは異なり、HTML外部に記述可能なため、柔軟なメンテナンスが可能です。
JSON-LDの導入がビジネスにもたらす影響
1. マーケティングでの活用
検索結果のリッチリザルト対応によって、クリック率の向上が期待できます。特にECサイトでは、製品情報やレビューを検索結果に表示することで購入意欲を高められます。
2. 顧客体験の向上
明確なデータ提供により、顧客が必要な情報に素早くアクセスできるようになります。たとえば、イベントページでは日時や場所が明確に表示されることで、参加者の混乱を防ぎます。
3. 業務効率の改善
構造化データの導入により、データ管理や分析が効率化されます。特に、データがリンクされることで、他システムとの統合が容易になります。
JSON-LDを成功に導くための注意点
- スキーマタイプの選定: Schema.orgで自社に適したスキーマタイプを確認しましょう。
- 定期的なテスト: Googleのリッチリザルトテストツールを使用して、実装内容を検証してください。
- 正確な情報の提供: 誤ったデータは検索エンジンやユーザーの信頼を損なう原因になります。