JWT(JSON Web Token)とは
JWT(JSON Web Token)は、ユーザー認証や情報のセキュアなデータ交換を目的としたコンパクトなデータフォーマットです。JSON形式のデータをエンコードし、署名を付加することでデータの改ざんを防ぎつつ、送受信する仕組みを提供します。現在、多くのウェブアプリケーションやAPIサービスで利用され、認証や権限管理における重要な役割を果たしています。
JWTの基本構造
JWTは3つの部分で構成されています。これらはドット(.)で区切られています。
- ヘッダー(Header)
- アルゴリズムの種類(例: HS256)やトークンタイプ(例: JWT)を記述する部分です。
- 例:
{"alg": "HS256", "typ": "JWT"}
- ペイロード(Payload)
- 署名(Signature)
- データが改ざんされていないことを保証するための署名です。ヘッダーとペイロードをエンコードし、秘密鍵を使って生成されます。
JWTの仕組みと動作
- トークンの発行
- クライアントがサーバーにログイン情報を送信すると、サーバーは認証処理を行い、JWTを生成します。このトークンはクライアントに返されます。
- トークンの利用
- クライアントはリクエストの際にJWTをヘッダーに付与して送信します。
- サーバー側は署名を検証し、トークンが有効であればリクエストを処理します。
- 有効期限管理
- JWTには有効期限を設定することが可能で、期限が切れたトークンは無効となります。これによりセキュリティを高めることができます。
JWTの利点
- コンパクト
- 自己完結型
- トークン内に必要な情報がすべて含まれているため、サーバー側で追加の状態管理が不要です。
- セキュア
- トークンは署名されているため、改ざんが難しく、信頼性の高いデータ交換が可能です。
JWTの課題と注意点
- トークンの漏洩リスク
- JWTが盗まれると、不正アクセスに利用される可能性があります。そのため、HTTPSを使用して通信を暗号化することが重要です。
- 長期間の有効トークン
- 有効期限が長すぎる場合、トークンが盗まれた際のリスクが増します。短い有効期限やリフレッシュトークンの併用が推奨されます。
- サーバー側の無効化の難しさ
- JWTは一度発行されると、通常は無効化が難しいため、特定の状況では別途ブラックリスト管理が必要です。
JWTの活用事例
- ユーザー認証
- シングルサインオン(SSO)システムで利用され、ユーザーが一度ログインすると複数のサービスにアクセスできます。
- API認証
- データ交換
- セキュアな情報交換が必要な場面で、改ざん防止とデータの整合性を保証するために使われます。
JWTをビジネスに取り入れる際のポイント
- セキュリティ設計
- 強力な秘密鍵を用意し、適切なアルゴリズムを選択することが必須です。
- リフレッシュトークンの活用
- 長期的なセッション管理が必要な場合、JWTとリフレッシュトークンを組み合わせることで安全性を向上できます。
- 適切なインフラの設計
- APIゲートウェイやロードバランサーとの組み合わせにより、大規模なトラフィックにも対応可能です。
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