Potential Gross Income(PGI)とは
**Potential Gross Income(PGI)**とは、不動産業やファイナンスにおいて使用される重要なビジネス用語で、物件や事業が最大限に収益を生み出した場合の総収入額を指します。これは、空室や支払い遅延が一切ない、いわば理想的な条件下で得られる収入を計算したもので、特に不動産投資や資産管理において収益性を評価する際に用いられます。
PGIの計算方法
PGIの算出はシンプルで、以下の手順で求められます。
- 全ユニットの賃料を合計
- 例えば、アパート全体で月額賃料がそれぞれ50,000円、60,000円、70,000円の3ユニットがある場合、PGIはこれらの合計で計算されます。
- 年間収益に換算
- 月額収益に12を掛けることで、年間PGIを求めます。 PGI=180,000×12=2,160,000円/年PGI = 180,000 \times 12 = 2,160,000円/年PGI=180,000×12=2,160,000円/年
PGIのメリットと限界
メリット
- 収益ポテンシャルの評価
- PGIを活用することで、物件の最大限の収益性を確認できます。
- 不動産や事業の収益構造をシンプルに分析する基準値となります。
- 投資意思決定の参考
- 他の物件や投資案件と比較する際に役立ちます。
限界
- 現実の収益とは異なる
- 実際には空室や未払い賃料などが発生するため、PGIは実現可能性の低い理想値です。
- 外部要因の影響を無視
- 賃料相場の変動や修繕費用の発生などの要因は考慮されません。
PGIを用いた応用事例
1. 不動産投資
- PGIは、不動産のキャッシュフロー分析で重要な初期ステップとして利用されます。その後、空室率や運営コストを引いた**Net Operating Income(NOI)**を計算します。
2. 商業施設の収益性評価
- テナントの最大収益ポテンシャルを算出することで、マーケティング戦略や賃料設定の見直しに役立てられます。
3. 不動産ローンの審査
- 銀行や金融機関が貸付条件を判断する際、PGIを考慮に入れて融資判断を行う場合があります。
図解:PGIの構造
以下の図は、PGI計算の基本構造を示しています。
賃料項目 | 月額賃料(円) | 年間賃料(円) |
---|---|---|
ユニットA | 50,000 | 600,000 |
ユニットB | 60,000 | 720,000 |
ユニットC | 70,000 | 840,000 |
合計(PGI) | 180,000 | 2,160,000 |
PGIの活用ポイント
- PGIとNOIの比較
PGIは理想収益ですが、実際の収益を把握するためにはNOI(純営業収益)と組み合わせて分析することが重要です。 - リスク管理ツールとして活用
空室率や市場変動を考慮することで、PGIからリスクの高い物件や事業を特定できます。