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PRINCE2(Projects in Controlled Environments)とは

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PRINCE2(Projects in Controlled Environments)とは?

PRINCE2は、プロジェクト管理のベストプラクティスを体系化したプロジェクトマネジメント手法で、特に規模や業界を問わず広く活用されています。この手法は、イギリス政府が開発し、現在では世界中の企業や組織で利用されています。名前の通り「制御された環境下でのプロジェクト」という意味を持ち、プロジェクトの全工程を体系的に管理することを目的としています。


PRINCE2の基本的な特徴

プロセス指向の手法

PRINCE2はプロジェクトを明確なプロセスに分けて管理します。このプロセスは以下の7つで構成されています。

  1. スタートアップのプロセス:プロジェクトの可否を検討します。
  2. プロジェクト指揮のプロセス:経営陣がプロジェクト全体を監督します。
  3. 初期化のプロセス:詳細なプロジェクト計画を策定します。
  4. 段階管理のプロセス:各フェーズを計画し実行します。
  5. 製品の供給管理プロセス成果物の納品を管理します。
  6. 段階の終了プロセス:次のフェーズに進むかを決定します。
  7. プロジェクトの終了プロセス:プロジェクトを正式に終了します。

ロールと責任の明確化

PRINCE2では、プロジェクトに関わる全てのメンバーの役割と責任が明確に定義されています。

  • プロジェクトボード:プロジェクトの意思決定を行う
  • プロジェクトマネージャー:日々の運営を管理
  • チームマネージャー:成果物の作成を担当
  • サポートスタッフ:サポート業務を担当

柔軟性の高い適用範囲

PRINCE2は、そのまま利用するだけでなく、組織やプロジェクトの特性に応じてカスタマイズ可能です。大規模なプロジェクトにも小規模なタスクにも対応できます。


PRINCE2を採用するメリット

プロジェクトの透明性向上

明確なプロセスに基づき進行するため、プロジェクト全体の進捗状況やリスクが見える化されます。

リスク管理の強化

各フェーズでリスクを評価し、適切な対応策を講じることで、失敗の可能性を低減します。

成果物重視のアプローチ

PRINCE2はプロジェクトの成果物に焦点を当てるため、顧客や関係者の満足度向上につながります。


PRINCE2の活用例

ITプロジェクトでの導入

PRINCE2はITシステムの導入プロジェクトで広く利用されています。例えば、新しいERPシステムを構築する際、要件定義からテスト、導入までを段階的に管理することができます。

公共事業プロジェクト

政府関連のプロジェクトでは、ステークホルダーが多岐にわたるため、透明性と責任分担が重視されます。PRINCE2の役割とプロセスの明確さが役立ちます。


PRINCE2の図解

PRINCE2のプロセスモデル

以下の図では、PRINCE2の7つのプロセスがどのように連携しているかを示しています。

プロセス名主な活動
スタートアップのプロセスプロジェクトの目的と範囲の検討
プロジェクト指揮のプロセス重要な意思決定と承認
初期化のプロセス詳細計画の作成とリスク評価
段階管理のプロセス各段階での計画と実行
製品の供給管理プロセス成果物の作成と納品管理
段階の終了プロセス次フェーズ移行の評価
プロジェクトの終了プロセスプロジェクトの完了と教訓の収集

PRINCE2の適用における注意点

学習コスト

PRINCE2は多機能で柔軟性がありますが、その分学ぶべき要素が多いため、学習コストが発生します。トレーニングや認定資格の取得を検討する必要があります。

堅苦しさの可能性

規模が小さいプロジェクトでは、手法全体を採用すると手間が増える可能性があります。そのため、適切にカスタマイズすることが重要です。

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