TTM(Trailing Twelve Months)の解説
TTMとは
TTM(Trailing Twelve Months)は、直近12カ月間の業績やデータを集計・分析する方法です。通常、企業の財務指標や営業データを評価する際に使用されます。この指標は、固定の暦年や会計年度に縛られず、常に最新の12カ月間のデータを反映するため、タイムリーで実態を反映した分析が可能です。
TTMの特徴と利点
- 常に最新のデータを反映
TTMは月次データを使用するため、特定の会計年度に限定されない柔軟な分析が可能です。これにより、季節変動の影響を平準化し、より正確な業績の把握ができます。 - 比較可能性の向上
同業他社や異なる期間のデータと比較しやすい点が特徴です。四半期や年間データだけでは捉えられないトレンドやパフォーマンスの変化を確認できます。
TTMの計算方法
TTMの計算は非常にシンプルです。以下の式を用います:TTM=直近の12カ月の業績の合計\text{TTM} = \text{直近の12カ月の業績の合計}TTM=直近の12カ月の業績の合計
たとえば、2024年12月時点でTTMを計算する場合、2024年1月から12月までのデータを合計します。
TTMの主な用途
- 収益分析
売上高や営業利益などの収益データを直近12カ月で計算し、企業の成長性や安定性を評価します。
例:株式投資家が企業の収益力を比較する際に使用。 - コスト分析
原価や運営費用などをTTMで計算することで、コスト構造の変化や効率性を確認できます。 - 評価指標との連携
株価収益率(PER)やEV/EBITDAなどの財務評価指標に組み合わせることで、直近の業績を基にした評価が可能になります。
TTMを活用する際の注意点
- 季節変動の考慮
一部の業種では、季節変動が大きく業績に影響を与えることがあります。例えば、小売業や観光業では、特定の季節に収益が集中するため、TTMの値だけで評価するのは不十分な場合があります。 - データの一貫性
TTMを使用する際は、データが正確で一貫性があることを確認する必要があります。不正確なデータは分析結果の信頼性を損ないます。
TTMと他の期間分析の違い
分析期間 | 特徴 | 主な用途 |
---|---|---|
TTM(Trailing Twelve Months) | 直近12カ月のデータを使用 | トレンド分析、業績の最新評価 |
四半期(Quarterly) | 3カ月間のデータを使用 | 短期的なパフォーマンス評価 |
年間(Annual) | 会計年度または暦年データを使用 | 長期的な業績評価 |
TTMを活用した実例
たとえば、ある企業が2024年12月の決算でTTM売上高を2,400万円と報告している場合、これは2024年1月から12月までの売上高を合計した数値です。このデータは、2023年の年間売上高や直近の四半期売上高と比較することで、成長トレンドを把握する際に役立ちます。