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TVM(Time Value of Money)とは

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TVM(Time Value of Money)とは

TVM(Time Value of Money)とは「お金の時間的価値」を意味する概念で、現在の1万円と将来の1万円は同じ価値ではないという考え方です。この原則は、資産運用、投資、貸付、借入などの意思決定において非常に重要です。お金には時間とともに変化する価値があり、通常は現在の金銭の価値が将来の金銭よりも高いとされています。


TVMの基本原理

現在価値(Present Value, PV)

現在価値とは、将来受け取る予定の金額を現在の価値に換算したものです。将来の価値が確定している場合でも、時間とともに価値が減少するため、現在価値を計算する必要があります。

計算式PV=FV(1+r)nPV = \frac{FV}{(1 + r)^n}PV=(1+r)nFV​

  • FVFVFV:将来価値(Future Value)
  • rrr:利率(年利)
  • nnn:期間(年)

将来価値(Future Value, FV)

将来価値は、現在の金額が将来どのくらいの価値になるかを計算したものです。利率や期間を考慮することで、投資や預金が将来的にどのくらい増えるかを見積もります。

計算式FV=PV×(1+r)nFV = PV \times (1 + r)^nFV=PV×(1+r)n


TVMが重要な理由

資産運用の最適化

投資や資産運用を行う際、TVMを理解することで、リスクとリターンを正しく評価できます。例えば、定期預金の金利が低い場合、インフレ率を考慮すると実質的な価値は減少することがあります。

貸付・借入の評価

ローンやクレジットカードの利息を評価する際、TVMを利用すると、返済計画の合理性を判断できます。長期的な借入の場合、将来返済する金額の現在価値を考慮することが重要です。

投資判断の基準

企業や個人投資家は、将来のキャッシュフローを現在価値に換算することで、投資案件の正確な収益性を評価できます。


実務におけるTVMの活用例

ビジネスケース1:資本予算

企業が新しいプロジェクトや設備投資を評価する際、将来の収益を現在価値で評価し、投資の妥当性を判断します。これには、正味現在価値(NPV)内部収益率(IRR)といった指標が使われます。

ビジネスケース2:ローンの計算

例えば、住宅ローンを借りる際、利息が支払総額にどのように影響するかを計算するために、TVMの概念が用いられます。

ビジネスケース3:インフレの影響

長期的な資産運用や収入計画を立てる際、インフレによる購買力の低下を考慮することが重要です。TVMはこのインフレ調整の基礎となります。


TVMの限界と注意点

仮定の影響

TVMの計算は、利率や期間が一定であることを前提としていますが、実際には市場環境の変動や予測の不確実性が影響します。

リスクの評価不足

時間的価値のみを考慮することで、投資リスクや市場リスクを十分に評価できない場合があります。そのため、リスク管理との併用が重要です。


図解:現在価値と将来価値の比較

以下の図は、時間が経過するにつれてお金の価値がどのように変化するかを示しています。

時間(年)現在価値(円)利率5%の将来価値(円)
0年目1,0001,000
1年目1,0001,050
2年目1,0001,102.50
3年目1,0001,157.63

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