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POPIA(Protection of Personal Information Act)とは

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POPIA(Protection of Personal Information Act)についての解説

はじめに

POPIA(Protection of Personal Information Act)は、個人情報の保護に関する法律として南アフリカで制定されたものです。この法律は、個人のプライバシーを保護し、個人情報が不適切に利用されないようにすることを目的としています。また、データを扱う企業や団体に対し、個人情報の適切な管理・運用を求めています。


POPIAの基本概念

個人情報とは何か

POPIAでは、個人情報を「特定または特定可能な自然人に関連する情報」と定義しています。これには、以下が含まれます。

  • 氏名、住所、連絡先
  • 身体的特徴や健康情報
  • 財務情報
  • オンライン識別子(IPアドレスやクッキーなど)

個人情報には特に機密性が高い情報(健康状態、宗教、性別、子供に関する情報など)も含まれ、これらはさらに厳しい管理が求められます。

データ管理者と処理者の責任

POPIAでは、データを管理・処理する者の役割を以下のように定義しています。

  • データ管理者:個人情報の収集目的を決定し、そのデータを管理する責任を持つ。
  • データ処理者:管理者の指示に基づいてデータを処理する第三者。

データ管理者は、情報の収集、使用、保管、削除に至るまで、すべてのプロセスにおいて透明性を保つ義務があります。


POPIAが求める主なコンプライアンス要件

1. 正当な目的でのデータ収集

個人情報を収集する際には、明確で正当な目的が必要です。収集目的が不明瞭または違法である場合、データの収集・利用は認められません。

2. 同意の取得

個人情報を収集・利用する際、データ主体(情報の所有者)からの明確な同意が必要です。この同意は、情報を提供する前に取得し、自由に撤回できるものである必要があります。

3. 情報の保管と安全性

収集した情報は、安全に保管される必要があります。情報への不正アクセス、破損、紛失を防ぐためのセキュリティ対策が求められます。

4. 情報の利用制限

収集した個人情報は、収集時に定めた目的の範囲内でのみ利用されるべきです。目的外利用は原則として禁止されています。

5. 情報主体の権利

情報主体には、以下の権利が保証されています。

  • 情報がどのように扱われているかを知る権利
  • 自分の情報の修正や削除を求める権利
  • 不正確または不完全な情報の是正を要求する権利

POPIAのビジネスへの影響

グローバルビジネスへの適用

POPIAは南アフリカ国内の法律ですが、南アフリカの市民や居住者の情報を取り扱う海外企業にも適用されます。そのため、南アフリカと取引する国際企業もこの法律を遵守する必要があります。

違反時の罰則

POPIAに違反した場合、以下のようなペナルティが科される可能性があります。

  • 最大1000万ランド(約800万円)の罰金
  • 最大10年の懲役
  • 企業の評判の損失による顧客離れ

企業はリスクを回避するため、POPIAに基づいたデータ管理ポリシーを策定し、従業員への教育を行う必要があります。


POPIAを遵守するための実務的アプローチ

1. データ保護ポリシーの策定

POPIAに準拠するため、企業はデータ保護ポリシーを策定し、全従業員にその内容を周知徹底する必要があります。

2. セキュリティインフラの強化

情報の保管と処理を安全に行うため、デジタルおよび物理的なセキュリティ対策(ファイアウォール、暗号化、アクセス制御など)の導入が求められます。

3. 定期的な監査とレビュー

データ管理の実務がPOPIAに沿って行われているかを確認するため、定期的な監査を実施します。これにより、違反リスクを最小限に抑えることができます。

4. 顧客対応プロセスの整備

顧客が自分の情報の確認や修正を求めた際、迅速かつ適切に対応できる体制を整えることが重要です。

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