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PON(Passive Optical Network)とは

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PON(Passive Optical Network)とは

PON(Passive Optical Network)は、光ファイバーを利用した通信ネットワークの一種です。「パッシブ」とは「受動的」という意味で、ネットワーク中に電力を必要としない光分岐装置(スプリッター)が使われることに由来します。効率的かつコスト削減に優れたネットワーク技術として、多くの通信事業者や企業に採用されています。


PONの基本構造と特徴

光ファイバーを使用したネットワーク

PONは、光ファイバーを使ってデータを高速で送受信します。光ファイバーは金属ケーブルと比較してデータ損失が少なく、高速通信が可能という特性があります。

アクティブ機器が不要

PONは「パッシブ」ネットワークという名の通り、ネットワーク途中に電力を供給する必要がありません。代わりに光スプリッターを利用して、1本の光ファイバーを複数のエンドユーザーに分岐させます。


PONのメリット

コスト効率が高い

光スプリッターを利用するため、電力供給やアクティブ機器(スイッチやルーター)を減らすことができます。これにより、初期導入コストや運用コストを抑えることが可能です。

シンプルな構造

PONは、ネットワーク構成がシンプルでメンテナンスが容易です。ネットワーク障害の原因特定や修理作業が迅速に行えます。

高い拡張性

PONは、1本の光ファイバーを最大64台程度のエンドユーザーまで分岐することができます。そのため、将来的なユーザーの増加にも対応可能です。


PONの用途

FTTH(Fiber to the Home)

PONは、家庭向けの高速インターネットサービスであるFTTHで広く使われています。高品質で安定した通信を提供するため、多くの通信事業者が採用しています。

企業ネットワーク

企業向けのオフィスやデータセンターでの利用も増えています。帯域幅を効率的に分配できるため、コストパフォーマンスが高いソリューションとなっています。

スマートシティとIoT

スマートシティやIoT(モノのインターネット)にもPONが活用されています。エネルギー効率の高い通信インフラとして、環境への負荷を減らす役割を果たします。


PONの種類

GPON(Gigabit Passive Optical Network)

GPONは、下り最大2.5Gbps、上り最大1.25Gbpsの速度を提供します。広帯域で高い通信品質を求める環境に適しています。

EPON(Ethernet Passive Optical Network)

EPONは、イーサネットをベースとした技術で、最大1Gbpsの通信速度を提供します。シンプルな構造でコスト効率が高いのが特徴です。

XG-PON(10-Gigabit Passive Optical Network)

XG-PONはGPONの後継技術で、10Gbpsの高速通信を実現します。次世代ネットワークの基盤として注目されています。


図解:PONの基本構成

以下の図は、PONの基本構成を簡略化したものです。

  1. OLT(Optical Line Terminal): 通信事業者側に設置される装置。データを光信号に変換して送信します。
  2. 光スプリッター: 光信号を複数のエンドユーザーに分岐します。
  3. ONU(Optical Network Unit)またはONT(Optical Network Terminal): エンドユーザー側に設置される装置。光信号をデジタルデータに変換します。
コードをコピーするOLT → 光スプリッター → 複数のONU/ONT

PONの課題と将来展望

課題
  • 長距離通信の制限:スプリッターによる信号減衰の影響を受けやすい。
  • 初期設置の難易度:光ファイバー敷設には専門的な技術が必要。
将来展望

PON技術は、5Gや次世代インターネット環境の基盤として期待されています。特に、スマートシティやIoTの進展により、超高速で低遅延な通信技術としての需要が拡大しています。

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