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TIC(Tenancy in Common)とは

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TIC(Tenancy in Common)の概要

TIC(Tenancy in Common)は、不動産やその他の資産において複数の所有者がそれぞれ独立した持分を所有する形態を指します。日本語では「共有持分」とも訳され、複数人が協力して資産を所有する方法として利用されることが一般的です。この所有形態は、特に不動産投資や共同事業において重要な選択肢となります。


TICの特徴と基本的な仕組み

持分の独立性

TICでは、各所有者が持分比率に応じた所有権を持ちます。例えば、ある不動産が1000万円の場合、所有者Aが60%、所有者Bが40%の持分を持つ形となります。この比率は契約時に自由に設定でき、所有者間で異なる割合が許容されます。

所有権の譲渡性

TICの所有権は譲渡可能です。つまり、所有者の持分を第三者に売却または譲渡することができます。ただし、他の所有者と共有契約を結んでいる場合、その契約内容によって譲渡が制限されることもあります。

相続の柔軟性

所有者が死亡した場合、その持分は法定相続人や指定された受益者に引き継がれます。これは、他の共同所有者の承諾を必要としないため、柔軟な資産承継が可能です。


TICが選ばれる主な理由

不動産投資での利用

TICは不動産投資においてよく利用されます。大規模な物件を複数人で共同購入することで、投資リスクを分散できます。また、個々の投資額が少額で済むため、資金力に応じた柔軟な投資が可能です。

資産活用の効率化

大規模な資産を単独で保有するのは資金的に困難な場合がありますが、TICを利用すれば、資金力に制約がある投資家でも資産運用に参加できます。

共有の明確化

TICでは持分比率が明確に決められるため、収益や費用の配分が透明性を持って管理されます。これにより、所有者間のトラブルを未然に防ぐことができます。


TICのメリットとデメリット

メリット

  • 持分譲渡の柔軟性:各所有者は自分の持分を自由に譲渡可能
  • リスク分散:複数人での所有により個々のリスクが軽減
  • 資産承継の柔軟性:相続において迅速かつ円滑な手続きが可能

デメリット

  • 全体の管理が煩雑:複数の所有者がいるため、意思決定や管理に時間がかかる
  • 紛争のリスク:所有者間で意見が対立した場合、資産運用に支障が出る可能性がある
  • コストの共有:維持費用や税金の分担割合を巡る議論が生じる可能性

TICの具体例と図解

具体例

ある投資家グループが5億円の商業ビルを購入し、それを以下の割合で所有するとします:

  • 投資家A:50%(2.5億円)
  • 投資家B:30%(1.5億円)
  • 投資家C:20%(1億円)

この場合、収益も維持費も所有割合に応じて配分されます。

図解

投資家持分比率投資額配分収益費用分担割合
A50%2.5億円50%50%
B30%1.5億円30%30%
C20%1億円20%20%

TICの適用分野

不動産投資

大規模な不動産を複数の投資家で購入する際に有効。

資産管理

家族や企業グループで共有資産を管理する方法として活用。

法律・規制への対応

特に共有不動産に関する法律的な要件を満たすために利用。

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