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WAF(Web Application Firewall)とは

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WAF(Web Application Firewall)の解説

WAFとは何か

WAF(Web Application Firewall)は、ウェブアプリケーションを保護するためのセキュリティ対策です。ウェブアプリケーションに向けられるさまざまなサイバー攻撃を検出・防御する役割を担います。具体的には、ユーザーがウェブアプリケーションに送信するリクエストや、アプリケーションからのレスポンスを監視し、悪意あるトラフィックを遮断します。

従来のファイアウォールがネットワーク層を保護するのに対し、WAFはアプリケーション層(OSI参照モデルの第7層)を対象とします。そのため、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)など、アプリケーションに特有の攻撃にも対応可能です。


WAFの仕組み

トラフィックの監視と分析

WAFは、リアルタイムでトラフィックを監視し、不審な動きを検知します。これには以下のような手法が用いられます。

  • シグネチャベースの検出
    既知の攻撃パターンをもとにトラフィックを分析し、攻撃を特定します。
  • ヒューリスティック分析
    不審な振る舞いをパターンとして学習し、未知の攻撃を予測します。

攻撃の遮断

攻撃と判断されたトラフィックは即座に遮断されます。これにより、ウェブアプリケーションが攻撃の影響を受ける前に防御が可能です。遮断されたトラフィックはログに記録され、後の分析や改善に役立ちます。


WAFが防御できる主な攻撃

1. SQLインジェクション

攻撃者がアプリケーションのデータベースに対して、不正なSQLコードを挿入する攻撃です。これにより、データの流出や改ざんが発生します。

2. クロスサイトスクリプティング(XSS)

ユーザーがアプリケーションを利用する際、悪意のあるスクリプトが埋め込まれる攻撃です。これにより、ユーザーの個人情報が盗まれる可能性があります。

3. 分散型サービス拒否(DDoS)攻撃

大量のリクエストを送信してサーバーをダウンさせる攻撃です。一部のWAFは、DDoS対策としても機能します。


WAFの導入形態

1. ハードウェア型

オンプレミス環境に物理的な機器として設置する形式です。高いパフォーマンスを発揮しますが、導入コストが高く、柔軟性に欠ける場合があります。

2. ソフトウェア型

ソフトウェアとしてインストールする形式で、仮想環境やクラウドに対応します。スケーラビリティが高い点が特徴です。

3. クラウド型

サービスとして提供されるWAFで、手軽に導入可能です。特に、初期費用を抑えたい中小企業に適しています


WAFを導入するメリット

1. セキュリティの向上

WAFを導入することで、ウェブアプリケーションの脆弱性を悪用した攻撃を防ぎ、企業や顧客の重要なデータを守れます。

2. 法規制への対応

近年では、GDPRCCPAなど、データ保護に関する規制が厳しくなっています。WAFは規制遵守の一環として有効です。

3. 信頼性の向上

セキュリティ強化により、顧客やパートナーからの信頼が向上します。


WAF導入時の注意点

  1. 適切なルール設定
    誤検出や過剰な遮断を防ぐため、設定を細かく調整する必要があります。
  2. 運用コストの考慮
    一部のWAFでは運用監視が必要となり、人的リソースの負担が増える場合があります。
  3. 他のセキュリティツールとの連携
    単体では完全な防御は難しいため、IDS/IPS(侵入検知・防御システム)やVPNと組み合わせるとより効果的です。

WAFの適用例と市場の動向

  1. Eコマースサイト
    クレジットカード情報や個人情報を扱うため、厳格なセキュリティが必要です。
  2. 金融業界
    サイバー攻撃の標的になりやすい業界では、WAFは必須ツールです。
  3. クラウド市場の拡大
    SaaS型WAFの需要が急増しており、低コストでスケーラブルなソリューションが注目されています。

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